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真夏に多い皮膚疾患とその対策

真夏に多い皮膚疾患とその対策

令和1年6月3日 発行

夏は肌の露出が多くなることに加えて、紫外線や汗、草花や虫、プールなどお肌への刺激がいっぱいです。夏に多い皮膚のトラブルの注意点をいくつかお話しします。

日焼け(日光皮膚炎)

海水浴、プールはもとより公園や山でも紫外線にあふれています。短時間でも大量の太陽光を浴びると、皮膚が赤く腫れてヒリヒリし、ひどい場合には水ぶくれができます。 また、日焼けにより、しみ、そばかすがひどくなります。日光アレルギーのある人は露光部に皮疹が出ることもあります。まず日差しの強い時間帯の外出を避け、帽子、日傘、長袖の衣服、手袋、日焼け止めの使用で、紫外線防御を心がけましょう。日焼け止めは、普段使いならSPF10-20/PA++くらい、アウトドアではSPF30以上/PA+++くらいのものが目安です。敏感肌の人は紫外線吸収剤が入っていないもの(ノンケミカルタイプ)がおすすめです。日焼け止めの効果持続は数時間なので適宜塗り直さなければ効果を維持できません。

あせも(汗疹)

高温多湿環境下で汗を出す管に汗が貯まることで生じます。あせもは予防が一番。発汗は新陳代謝、体温調整のためにも重要ですが、出た汗をそのままにしておかないこと。吸湿性のよい肌着を着用し、汗を吸収してくれる面積が広いTシャツスタイルの方がランニングシャツよりもあせも予防に適しています。汗で濡れた衣服は着替え、シャワーを浴びましょう。治りにくい場合には皮膚科を受診しましょう。 ベビーパウダーなどはあせもの予防に使うもので、治療薬ではありません。

虫刺され

蚊だけではなく、毛虫や犬猫のノミも発生し、人を刺します。その他にも、蜂、イエダニ、アブ、ブユ、チャドクガ、頭シラミ、などなど。原因により治療が異なりますので、原因もなにもわからない時などは皮膚科を受診してください。掻き壊して悪化させてしまった場合は、とびひになってしまうこともあります。

とびひ(伝染性膿痂疹)

細菌による感染症で、掻くことで火事の火の粉が「飛び火」したように広がるためこう呼ばれています。元来細菌の多い場所である鼻や耳をいじっているうちに発症する場合や、虫刺されや怪我などをいじっているうちに発症することが多いようです。初期ならば塗り薬で、広がってしまった場合にはかゆみ止めや抗菌剤の内服も行います。とびひがあるあいだは プールは控えましょう。通園、通学は医師や担任の先生、保育士さんと相談しましょう。

みずいぼ(伝染性軟属腫)

ウイルスが原因で起こる感染症です。放置していても自然に治りますが、6ヵ月~5年かかることもあります。その間に他の場所にうつったり、他の人にうつしたりしてしまいます。専用のピンセットで摘除するのが一般的で、麻酔テープを使うことにより痛みを和らげることができます。プールに通っている場合はビート板などで再感染する機会が多いので摘除しない方法も考えます。

水虫

白癬菌というカビによる感染症です。プールや温泉の足ふきマットなどから感染する機会が多くなります。TVのCMなどで「かゆい」イメージがあると思いますが、実際にかゆみを訴える人は20%くらいで、ほとんどの人は痒くないため、水虫だと思っていない人もおられます。また足の汗によるムレなどで指の間がふやけているのを水虫と判断し、市販の水虫薬を使って悪化させてしまうこともあるようです。足指の間の乾燥やジクジク、小さな水ぶくれがある場合には検査をされるのがいいでしょう。5分ほどで診断がつきます。もし水虫と診断された場合には 処方された塗り薬を足の裏と指の間に 一日一回しっかりたっぷり塗りましょう。踵(かかと)の角質が厚くなるタイプや 爪の水虫には内服薬で治療する場合もあります。

(K・O記)

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