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子どもの夏の病気

子どもの夏の病気

平成26年8月1日 発行

東京の夏の夜は暑く、寝苦しいものです。夜間、居間でクーラーをつけて、寝室のドアを開けておくような状態、つまり冷たい風が直に当たらないような状態であれば、寝る時や熱が出た時でもエアコンを使っても問題ないと思います。

シャワーや入浴も39℃を越える発熱でなく、機嫌がよく、比較的元気であれば可能です。

昼間外に出る時は帽子などをかぶり、赤ちゃんも子どもも、市販の子ども用の日焼け止めクリームでいいですから塗ってください。

熱中症や脱水症にも注意が必要です。味噌汁や経口補水液による水分の補給と、充分な睡眠が有効です。

昔から言われているように、規則正しい生活と、バランスのとれた食事、充分な睡眠が、夏は特に大切です。そうすれば体力がつき、免疫も上がり、病気にもかかりにくくなります。

夏かぜの代表的なものとしては手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱があります。

 

手足口病は4歳くらいまでの子どもがよくかかる、手のひらや足の裏、口の中に水泡を持つ発疹ができる病気です。発疹は時に肘や膝、お尻にも出ることもあります。口の中の水疱が破れると痛みが強くなり、食事がとりにくくなることがあります。発熱することもありますが通常は数日で解熱し、自然に治ります。高熱が続き、頭を痛がったり、吐いたり意識がはっきりしないなどの症状がある時は、まれに髄膜炎や脳炎の可能性もあるので急いで医療機関へ受診してください。

 

ヘルパンギーナは38℃以上の発熱が2,3日以上続き、のどの奥に口内炎のような小さな潰瘍ができる病気です。のどの痛みが強く、すっぱいものや塩辛いものは飲み込みにくくなります。1週間程度で自然に治りますから、その間、薄味でのど越しのよいもので水分などを充分補うようにしてください。

 

咽頭結膜熱はプール熱とも言われるように、プールでうつることが多い病気です。咳やくしゃみの飛沫に混じったウィルスがのどや目の粘膜に付いて感染します。38℃以上の熱とのどの痛み、目が充血して涙や目やにが出ます。熱が5日くらい続くこともありますが、1週間程度で自然に治ります。タオルや食器などを別にしないと家族間でうつることもあります。

これら3つの病気はウィルスが原因で起こり、飛沫感染や接触感染ですから、うがいや流水での手洗いが大切です。また予防接種もありませんので、免疫を高めておくことが予防につながります。

 

夏風邪ではありませんが、伝染性膿痂疹(とびひ)も夏に多い病気です。虫刺されや擦り傷に細菌が感染することにより起こります。傷口のところに水疱やびらんができます。抗生剤軟膏を塗布したり抗生剤を服用して治療したほうが、治りは早いようです。傷口から出る液に細菌がいて、これがほかの部分に付くと広がりますので、傷口はガーゼなどで被って下さい。シャワーを浴びることは問題ないですが、兄弟がいる場合は後にして、タオルなどは別にしてください。シャンプーや石鹸を泡立てて優しく洗っても大丈夫です。アトピー性皮膚炎の子は皮膚に小さな傷があり、ここから細菌が侵入してとびひになることがあります。普段から皮膚のケアーをよくしておくことが大切です。

(K・I)

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