| 平成22年12月1日 発行
風邪かと思ったら…
皆様はどのような症状を自覚すると、風邪かな?と感じられるでしょうか。
悪寒、発熱、倦怠感、のどの痛み、鼻水、咳、声枯れ、頭痛、嘔吐、下痢など様々な症状の組み合わせだろうと思います。のどの痛み一つをとっても、鼻の奥のヒリヒリ感、ツバを飲み込む時の痛み、イガイガ感、時には食事も摂れないほどの痛みだったり、人それぞれ症状に違いがあります。私たち医師は、それらの症状や診察した所見から、どのような状態かを判断し治療を行います。この時に重要なことは、風邪のような症状の陰に重大な疾患が隠れていないかどうか、あるいは風邪によって持病を悪化させ重篤な状態に陥らないように見極めるということです。
風邪は、ほとんどの場合、無理せず過ごしていれば自然に治癒します。しかし、基礎疾患があったり、免疫力が低下していたりする場合は注意が必要です。耳鼻咽喉科には、内科や小児科で風邪の薬を処方してもらってだいたい治ったのだけれども、鼻水だけが残っているとか咳だけが続いているといった方がよくみえられます。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が基礎疾患としてある方は耳鼻科的な処置や投薬で改善します。また声がかすれてしまう方は喉頭の診察が必要な場合もあり、やはり耳鼻科的な検査が必要です。しかし一般的な風邪症状に対する初期治療は、どの診療科でもさほどかわらないと思われます。持病がある方は、まずはかかりつけ医に相談することをおすすめします。
昨年は新型インフルエンザ(H1N1)騒動がありました。インフルエンザもウイルス感染症なので大きな意味では風邪と言えなくもないのですが、その感染力や致死率はいわゆる風邪とは違います。目黒区では今年9月にH1N1インフルエンザによる学級閉鎖が一部でありましたが、今のところ拡大している様子はないようです。本来インフルエンザがみられない季節にも散発ながら感染が確認されるということは、今後流行が拡大する可能性もあるかと思います。すでに北海道・沖縄でははやり始めたとのことで、昨年のH1N1型だけでなく、H8型(A香港型)もみられるとのことです。皆様も是非インフルエンザの予防接種を受けて下さい。
昔から風邪は万病のもとと言われていますが、医学が発展した現代でもかわることはありません。風邪かも、と思ったらご自分の体とよく相談をしてください。仕事が忙しく休んでいられないとおっしゃる方もいるでしょう。しかし、さらに悪化させて長期間休むことになったり他の方にうつしてしまったりすれば、個人の損失だけでなく社会的な損失も拡大してしまい、多くの方に迷惑をかけることになります。
十分な休養やマスクや手洗いはインフルエンザの時だけではありませんよ。
(T・Y) |